「おはよう御座います、父上母上。」
「おはよー父上母上!」
「おはようございます、お父様お母様。」
「「ああ、おはよう。」」
毎朝の光景。互いに挨拶をすまし、食卓につく。
時折アッシュは公務で居なかったりするが、今日は公休のため家族全員で朝食をとる事ができた。
「お仕事のほうはどうですか、父上。」
「あぁ、今のところ急ぎの書類もない、暫くは定時で帰れそうだ、アーク。」
「あ、あのお母様、この目玉焼き、今度教えて下さいますか?」
「もちろんだよルーア。ちょっとずつ覚えていこうな。」
「る、るーあ、無茶はすんなよ・・・?」
「まあルーシお兄様、時には無茶をしなければ料理は上達しませんわ!」
「りょ、料理ってそんなもんかな・・・」
会話に花をさかせつつ食事を取る5人。
周りに控えているメイドや使用人からもクスクスと笑みが零れる。
それを特に咎めようとせず、和やかな雰囲気である。
「あ、なあアッシュ、今日は天気いいからみんなでピクニックにでも行かないか?」
「ピクニックか・・・久々にいいかもな。」
ルークの提案にふむ、とアッシュが頷く。
すると子供たちは目を輝かせはしゃぎ出した。
「ピクニック!俺っタタルけいこくがいい!」
「ルーシ、食事中に行儀が悪いぞ!」
嬉しさのあまり席から立ち上がるルーシをアークが宥めるが、アークの腰も僅かに浮いており、瞳も輝いており喜びが見て取れる。
ルーアも嬉しそうに微笑み手をあわす。
「ピクニック、楽しみですわ!お弁当を作らなきゃ・・・!」
「「えっ!?」」
「・・・・なんですの?お兄様達。」
「い、いやっ・・・・」
「ははっ、ルーアはピクニックでめいっぱい遊ぶ体力を温存しとけよ。弁当は俺が作るからさ。」
「でもお母様お一人では大変なのでは・・・・。」
「俺も手伝うから心配するな。」
「えっ!父上も作ってくれんの!」
「久々に料理をしようと思ってな。ルークより上手いぞ?」
「俺よりってなんだよ!・・・・まぁ、あってるけど。」
むくれるルークの頬にアッシュが宥めるようにキスをする。
何年経ってもラブラブの夫婦である。
そしてルーアの××料理を回避できた一同は心の中でほっと胸を撫で下ろした。
◆ ◆ ◆
「アーク、ルーア!見てみろよ!この花すっげぇデカイぞ!!」
「本当だ。よくここまで成長したな・・・。」
「綺麗ですわ・・・」
タタル渓谷にあるセレニアの花畑ではしゃぐ子供達。
アッシュとルークはシートを広げて座り、楽しそうにする子供たちを見守っていた。
「ここは変わらないな・・・・。」
「うん。俺、ここにはすごい色んな思い入れがあってさ、お気に入りの場所のひとつなんだ。」
目を細め花畑を見渡すルーク。
恐らく子供たちではなく昔の情景を見ているのだろう。
「だが・・・。」
「ん?」
アッシュがルークの肩を抱き、寄り添うかたちになる。
「俺達は変わった。」
「うん。変わったな。」
「いまこうしてお前と結婚して、子供までいるのが、たまに信じられん。」
「うん、俺も。」
「だが・・・悪くない。」
「俺も。」
自然と重なる唇。
渓谷に吹く暖かい風が、優しくそれぞれの赤い髪を揺らしていった。
* * * * * * * *
大っっ変!長らくお待たせいたしました・・・・!
時間がかかってしまい本当に申し訳御座いません;
桜春希様リクエスト『アシュルク家族パロでお出かけ』でした!!
お出かけ=ピクニックと非常に単純な思考の私で御座います(笑)
こんな文でも貰って頂けたら幸いですv
リクエストありがとう御座いました!