転校初日〜タイトルまんまとか言わないで〜














――聞いたか?隣のクラスに転校生来るんだってさ。




会話が聞こえる。
本人達は小声で話してるつもりだろうが、
自分は耳がいい方なので、会話が筒抜けだった。
しかし、特に気にした風もなく聞き流す。




―季節外れじゃね??

―だよなー。けどさ、それがあのアッシュの双子の弟らしいぜ!



ほとんど聞き流していたが、
自分の知人の名前が挙がった事に、ピクリと眉が動く。
今度は集中して会話に耳を傾ける。



―マジかよ!アッシュに弟なんていたか??

―体が弱かったらしく、田舎で静養してたんだってさ。

―へー、アッシュの弟ってんだから、もっと強いのかと思ったけど・・・

―なあなあ、休み時間に見に行こうぜ!

―おう、どんなヤツか気になるしな!



キーンコーンカーンコーン・・・・・


そこでチャイムが鳴り、その2人組みは、
会話をやめて慌てて席に着き始める。




(へぇ、アッシュの弟か・・・・初耳だよ。)


手に持っていた参考書をパタンと閉じる。
そして、後ろの方の席に座り、
自分と同じように参考書を見ている赤毛の知人をチラリと見てほくそ笑んだ。


(面白そうだね。)


そしてシンクは緑の髪を僅かに揺らして前に向き直った。




 ◆      ◆      ◆





「今日からこのクラスに入るルーク君だ、みんな仲良くするんだぞ。」


ルーク・フォン・ファブレ

そう黒板に書いてある白い文字を指しつつ、担任がお約束なセリフをいった。


「ルーク・フォン・ファブレです、宜しくお願いします。」


ルークも転校生ならではのセリフを言いつつ、軽くペコリとお辞儀をした。
照れからか、少しはにかんで。



・・・・・・・何人か机に突っ伏した人がいたとかいなかったとか。





そして休み時間になると、転校生にはよくある質問ぜめが行われた。



「なあなあ、ルークってアッシュの弟なんだってな!」
「体、弱かったって本当?もう大丈夫なの?」
「やっぱり兄弟だからアッシュ様と一緒にご飯食べたりするの?」
「双子ってやっぱ一卵性の?すげー!」



沢山の質問にルークは混乱しつつも、ひとつひとつキチンと質問をかえしていた。


確かに俺はアッシュの弟だよ。
もちろん一卵性の双子。
そんなにめずらしいか?
体が弱かったけど今はもう大丈夫さ。
まあ、実際には記憶喪失時代の事だけど・・・
一緒に住んでるんだから、もちろん食事も一緒・・・・て、え??


アッシュ様・・・!?



「あ、アッシュ様って、なんで様つけてんの??」


途中、聞きなれない兄の呼称に聞き違いではないかと驚きつつ、聞き返す。


「アッシュ様の事?」

「だって、アッシュ様は生徒会長だし、容姿端麗、成績優秀!
 ファブレのご子息で言うことなしの完璧なお方ですもの!!
 ちょっと厳しい所もクールでカッコイイのよねーv」

「生徒会長っておっかねえじゃん;」

「うるさいなー男子!あんたアッシュ様の事妬んでるだけでしょー!」


キャアキャアと黄色い声が聞こえる女子組みと、女子の気迫に少々押され気味の男子組みを見て、
ルークは少し苦笑いをこぼした。


しかし、アッシュがこんなに有名人だったとは。
誇らしい反面、ちょっと寂しく感じたりする。

それがヤキモチだとは精神的に幼いルークにはまだ少しわからなかった。


「ねえ、ルーク様!」

イキナリの慣れない呼称に思わず噴出しそうになってしまった。

「る、ルーク様??(汗)」

「え、だってアッシュ様の弟君でしょ?」

「そんなのいいよ!普通にルークって呼べよ。」

「え、でも・・・」

「本人がいいって言ってんだ。それに、俺そういう呼ばれ方、なんかくすぐったいし・・・」


そう言いつつ、頬をカリカリとかき照れくさそうに微笑む。


――ズキュンvV


それを見ていた周りの人(男女問わず)が、
またもやハートを打ち抜かれる事になったのをルークは知らない。


「う、うん///ルーク君!宜しくね!」

「る、ルーク////、宜しくな!」

「おう♪宜しくな!」


今度は満面の笑みでかえす。




・・・鼻を押さえてうずくまる人が数人いたとか。





「ルーク」


慣れ親しんだ声に呼ばれ、教室の廊下を見やれば、
沢山の人だかり(野次馬)・・・・・の中にアッシュがいた。


「アッシュ!」

ぱぁっ、と顔を輝かせ小走りで駆け寄る。


「どうだ、学校は慣れたか?」

「うん!みんないいヤツばっかりだ!」

「よかったな。」

そう言いつつルークの頭をわしゃわしゃとかき撫ぜる。
子供使いすんな、とルークは言いながらも、どこか心地よさそうに目を細める。


そのほのぼのとした光景に心奪われる人が多数。


「あ、でもアッシュと別のクラスになっちゃたな。」

「そうだな、だが休み時間に会えるだろう。」

「うん、そうだけどさー・・・あ、お昼!一緒に食べようぜ!」

「あぁ、昼になったらまた迎えに来る。」

「ほんとか!約束だぞ!」

「心配するな。約束する。」

「じゃ、またお昼休みにな!」

「ああ、また後で。」


薄く笑みルークに手を振り自分の教室へと帰っていくアッシュ(少々野次馬を睨みつつ)
アッシュの姿が見えなくなるまで笑顔で手を振り見送るルーク(野次馬を眼中に入れず)


隣のクラスなのに、ここまでするかとツッコミするものは、生憎といなかった。



それよりも野次馬達の惨状は凄まじいものだった。
多くのものがあらぬ方を見やり頬を染めている。
机に突っ伏している者も少なくはない。
・・・・血まみれで倒れている者も極僅かだがいた。


無理もない、二人の和やかな会話を聞いた上、顔立ちが整っている二人の笑みを見たのだ。
アッシュと似てはいるが雰囲気が全然違い、とても明るい笑みをするルーク
そして滅多に表情を崩すことがない、自他共に厳しいアッシュの笑みまで拝めたのだ。



その日は、保健室にお世話になるものが沢山いて、
そしてその保健室から沢山の悲鳴が聞こえたとか。








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 A☆TO☆GA☆KI(見難っ!)

やっとこさ学パロぽい作品が書けた気がします!
学パロ言いつつも学校に全然行ってなかったしね・・・
ルークをクラスのアイドルにしましたよ!
あはは、私の手に掛かればみんな壊れますYO☆(ぅわ)
そしてシンク!彼を遂に出してみました☆
他のサイト様の学パロにも出現率高いですね彼!
私も習って出してみました・・・が・・・・・
どういう役回りにしようか悩み中・・・・(爆)




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