電車に揺られながら流れる景色を見た。
これがもうすぐ見覚えのある景色に変わる。
そう思うと少し笑みがこぼれた。
―――遠い日の記憶2―――
「アッシュってマンションに一人暮らしだったんだ。」
驚き混じりの声で、ルークはボックスの向かいの席の兄―――アッシュに問いかけた。
こうして向かいあっているのを見ると、
髪長さを覗けばまさに鏡のようだった。
しかし、赤い髪もよく見れば、アッシュは炎が燃えるような紅い色で、
一方、ルークの方はアッシュとは僅かに色素が薄く、夕焼けのような緋だった。
だけど、遠目で見たらそう簡単には区別はつかないものだった。
(もっとも、表情の違いで直ぐに見分けがつくのだが。)
「あぁ。・・・・・・話してなかったか?」
「うん、聞いてない。」
すこし拗ねたような顔になるルークに苦笑いしつつも、
ガイはアッシュにフォローを入れた。
「まぁ、まだ再開して数日しか経ってないしな。」
「むぅ・・・そうだけど・・・・どこに住んでるんだ?」
「ベルケンドの中央区にある高層マンションだ。」
「ベルケンドって確か父上の統轄地区の・・・・・・。」
「あぁ、その父上が建てたマンションに住んでいる。」
ガイがヒュゥっと口笛をならす。
「へぇ〜。そのマンションって結構高級なとこだろ?さすがは大企業の御曹司だな♪」
一方のルークは少し思案するような表情で呟いた。
「ベルケンド・・・おぼろげにだけど・・・・覚えている。」
それを聞いたアッシュは少し意外そうな顔をした。
「ほぅ、まさか覚えていたとはな。
お前はベルケンドには1、2回くらいしか行った事がないはずだが。」
「なんだよその以外そうな顔は・・・・。
まぁ、あんま覚えてないのは確かだけどさ。」
「お前んトコのご両親は今何をしてるんだ?」
ガイがそういえば、という風にアッシュに聞いた。
「父上は今も叔父上の元にてキムラスカで働いている。
・・・・・・母上は――・・・・・」
少し言葉を濁すアッシュにルークは不安げに問う。
「母上、母上に何かあったのか・・・?!」
「いや、大事はないが・・・・お前が行方不明になった日に、ショックで床に伏せってしまわれてな。
以来、心労のせいか、少々病気がちになってしまっている。」
「そんな・・・・・・母上・・・・・・。」
心配そうに顔を俯ける弟にアッシュは出来るだけ優しく諭す。
「お前のせいじゃない。それに・・・お前が帰って来たらきっと母上は喜ぶ。」
ガイも元気付けるようにルークの背を軽く叩き言った。
「そうだぜルーク、元気な姿を見せてやれよ。
そうしたらきっとおふくろさんは元気になるはずだぜ。」
「そうかな・・・・?」
「そんな暗い顔してたらまた心配かけてしまうぞ?」
そうアッシュに言われた途端、ルークが焦ったような表情になる。
「そ、それは困る!」
「なら、笑っていろ。」
そういわれてルークは再び笑顔になった。
「あ・・・・うん!」
『次はバチカル―――バチカルになります。』
「おっ、ようやく着いたようだぜ。」
車内アナウンスを聞き、ルーク達はドアの元へと歩いていった。
駅を出ると爽やかな風がさぁっと吹いた。
様々な建物が沢山あるが、決して緑が少ないわけでもない。
それに活気もあってとてもいい街だ。
ルークは昔からこの街が大好きだった。
「ルーク、行くぞ。」
アッシュに呼びかけられて初めて、
自分はこの街に見入っていた事に気付く
「あ、あぁ。」
「どうしたんだルーク、ぼーっとして。」
「うん・・・なんか、懐かしいなーって。」
「ははっ、お前の故郷だもんな。」
「うん。」
この街の何処かに父上と母上達が住んでいる。
そして、もうすぐ会える。
ゆるむ頬を引き締めつつ、少し距離の開いてしまったアッシュの元へと走り寄った。
*********************
ぁあとがぁきぃぃぃい!(地を這うように)
『遠い日の記憶』第2話です☆
次回あたりでファブレ夫妻との再会です・・・・多分(ぇ)
なーんかうまく話が進みませんでした・・・;
なので会話がごちゃごちゃ(泣)
アッシュはベルケンドに住んでるらしいよ!
へぇー、ふぅーん!(・・・)
ふと、思った。
『雨の日の記憶』が「あめきお」だったから
これは略すと「とおきお」かな?
い、言いにくい・・・・・・;
まだ続きます・・・・;
戻る