―――ベビー作成法―――




















それは、休み時間の出来事―――













「なぁなぁ、ルーク」












次の教科の準備をしていたルークはクラスメイト3人に話しかけられた。






転校してからまだ間もないが、クラスの皆は良くしてくれて、
とても親切で、ルークはすぐに馴染む事ができた。




その事がルークはとても嬉しかった。




話しかけてきたのは仲良くなった人のウチの3人だ。










「うん?何かようか??」












「なぁ、ルーク。お前、子供の作り方知ってるか?」










「・・・・・・・・・は?」











なんとも小学生じみた質問だ。



しかし3人はその冗談が面白いらしい。









「知らないのかぁ〜??」








「なっ・・・俺だってそれくらい知ってるよ!」










「へー、たとえば??」









「っ・・・!!//////」








しまった、ついひっかかってしまった。




しかし3人は自分が答えないと気がすまないらしく、にやにやしながら此方の様子を伺っている。


どうやらこの話題から逃してはくれないらしい。








いくら天然と言われるルークでも、さすがに子供の作り方ぐらいは知っている。


しかし、その説明をどうしたらいいかわからないし、恥ずかしい。








ルークは考えた。










(ど、どうしよう・・・、やっぱり話さなきゃいけないのかな?

 うー、でもどうやって?!つーかこれ一種のセクハラじゃね?////

 おちつけ俺!!考えるんだ!そうだ!アッシュならこの場合どうする?!

 いや、アッシュならこんな話をふられる事なんて無いだろうけどさ;

 でも、もし聞かれたらそのままサラッと言いそうだな・・・

 でもそれは可笑しくなくて、真実で・・・・・・

 あ、アッシュみたいに言えば恥ずかしくないのかな・・・?

 でもそんなの俺には無理だぁーーー!!

 やっぱり恥ずかしいーーーー!!!)










「なーなー、ルーク、どうなんだよー。」











「アッシュみたいに・・・アッシュみたいに・・・」






なにやらブツブツと喋っているルークに3人の男子ははやし立てた。




「声ちっちゃくて聞こえねーぞー??」






しかし、その一言でルークの内で何かが弾けた。







―――――すぅ・・・・・









「・・・・・・・・ガキの作り方とか言ったな。」






突然声色と口調が変化したルークに男子3人組は驚いた。









ルークはバッと俯いていた顔を上げる。

その勢いで前髪が跳ね上がった。



いつも大きく開かれている双眸は僅かに細められていた。




・・・・・・心なしか眉間に皺が寄っているように見える。






男子3人組は息を呑んだ。









「ガキを作るにはまず受精を行う必要がある。その受精とは男子精細胞(精子)と、
 女子精細胞(卵子)とが合体し、細胞質と核が融合して新生命が発生する現象を言う。
 そして、受精は通常性交によって媒介され、卵管膨大部で行われる。
 卵管膨大部で受精し生じた接合子は卵管内を卵割しながら2、4、8細胞期さらには桑実胚、
 胚盤胞と呼ばれる状態になって子宮腔内へ移動する。
 子宮腔内に移動した胚盤胞は子宮内膜と接着し、最終的には胚盤胞の全てが子宮内膜内に完全に埋没し、
 一体化する。この一連の過程を着床と呼んでいる。子宮内膜症の一部は抗子宮内膜抗体が認められ、
 着床を障害し不妊症の原因になることもあるらしい。
 そして卵細胞の細胞質内へ侵入した精子の核が大きくなり男性前核の形成する。
 精子の尾部は退行変性し、消失する。それぞれの前核は成長中に、
 一倍体で2本の染色糸よりなるDNAを倍加させる。
 次に男性前核と女性前核は細胞の中央に移動し、やがて癒合し受精が完了し、
 父方と母方の遺伝情報が一つになる・・・・・・



 これで新しい生命の誕生である。」









そう一気にまくし立てるルークは少しも恥ずかしがっている様子が見られない。


その声色、口調、表情は、まるで―――





彼の双子の兄、アッシュの短髪版だった。







ルークは窮地に追いやられた事によりすごい能力を発揮した。


そう、ルークはアッシュに『なりきった』のだ。






しかも只の『なりきり』ではない。

ルークの知らないはずの難しい言葉までぺらぺらと話せている。

ここまでくるとルークとアッシュが入れ替わったのではないかと錯覚する。







まさに双子の神秘








「どうだ、これで満足か。」






未だアッシュになりきっているルークは男子3人組を鋭い眼差しで一瞥する。







「「「は、ははははいぃっ!!!」」」








そしてルークはフッと気を抜いた。


その拍子に後ろにはねていた前髪もサラリと落ちる。





そこには満足そうに笑むいつものルークだった。







「あー恥ずかしかった、もうお前らこんなのやめろよなー。」







「「「は、はいぃぃ!!すみませんでした!生徒会長!!!」」」





男子3人組、思わず敬礼。







「は?俺生徒会長じゃないよ??」











それ以来、その男子3人組はルークの恥ずかしがるような話題をしなかったと言う。










****************


あとがき(・・・じゃないかも)


学パロ短編☆
ルークにアッシュになりきってもらいました。
いいねぇ、双子はこういうのを使えるから好きさw
赤ちゃんが出来るまでは打ってて少し恥ずかしかったです;
ちょっとおかしい箇所もあるかもしれないけど、
時矢はかなりお馬鹿で物知らずなんで、そこんとこ勘弁;















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