――夢transiecy幻――







ゆっくりと地核へと降りて行く

ルークはアッシュを抱えたまま譜陣の上にペタリと座りこんだ。


自分の体が、重い。
力がだんだんとなくなっていく。






おかしいな、乖離してるから軽いはずなのに。







自分の膝の上に置かれたアッシュの顔を見る。


血の気を失った青白い傷だらけな顔。


それらを除けば、まるで眠っているかのようだった。




否、眠っているのだろう。

色々な事があった。

それらがすべて終わって、疲れて、ようやく眠ったのだ。



自分もようやく眠れる。







あぁ、疲れたな。

もう、寝ていいよな?








重くなった瞼をそっと伏せる。




流れゆく星の記憶

その星のかけらの音が子守歌に聞こえた。

ローレライの温かい光が、頭を撫でてくれているようだった。







すべてが、

眠ってもいいよ。

と、言ってくれているようだった。




投げ出された傷だらけの冷たい手を握り、そっと微笑む。


そして、誰に言うでもなく呟いた。





























おやすみなさい










































手に温もりを感じて、ゆるゆると瞼を開く。

開けた視界に映ったのは、怒ったような、心配したような、


そして泣きそうな顔をした半身だった。






・・・・・ゆめ?






「ルーク・・・・・!」


「・・・・んぁ?アッシュ??」




ゴンッ




殴られた。



「ぃってぇ…!何するんだよ!!」

殴られた頭をを押さえ、アッシュの方を見やると、
アッシュは肩をわなわなと震わせてこちらを睨んでいた。


正直、怖いですアッシュさん。




「お前目覚めて第一声がそれか…!」


「はぁ?…っと、そういえばここ何処だ?俺どうして寝てたんだ??」



そう言えば、アッシュは盛大な溜め息を着いた。

幸せ逃げるぞ?




「覚えていないのか?お前はトラックに跳ねられそうになった猫を助けて、
そのまま別の乗用車に跳ねられたんだよ。そして一週間も意識不明の状態だったんだ。」

頭を強く打ったらしくてな、とアッシュが付け加える




「い、一週間!?そんなに眠ってたのか・・・・・;」


かすり傷程度ですんだ事にもビックリだが、一週間も眠ってた事にもビックリだ。


それよりもアッシュ、一週間も意識不明でたった今起きたばかりのやつを普通殴るか?





そう驚いていたら、突然ぐいっと抱き寄せられた。


「あ、アッシュ?」


耳元で小さい溜め息が聞こえた。

先程の呆れたものとは違い、こっちのは安堵したようなものだった。




「全く・・・どうしてお前は人を心配ばかりさせる。」

「ごめん・・・。」


「正直、肝が冷えた…こんな事はもうごめんだぞ。」

「・・・うん。」




温かい体温と、同じリズムで刻まれる鼓動の音に安心する。




夢の中での彼はとても冷たかった。

今思い出しただけでも泣きそうになる。


そんなルークの気持ちを察してか、アッシュが訝しそうに訪ねた。



「・・・ルーク?どうした。」


「ううん・・・なんでもない。・・・・・・・・あのさ、アッシュ。」


「なんだ?」





「俺、夢を見たんだ。」





「夢?」


「うん、とても・・・とても長い、不思議な夢を・・・・・・・・。」








―終―




****************
あとがき兼わかりにくい解説

ED後提造話になるのかな?
現代パロディになるのかな?

EDで、僕らは一つになる〜♪→目が覚めたら夢オチじゃん!みたいな話。

つまり、車に轢かれそうな猫ちゃん助けて、
自分が轢かれちゃったじゃん!あーあ1週間意識不明だわ
で、その間に見た夢が深淵物語〜みたいな。

・・・・よくわかんない話ですね、はい;








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