※妄想炸裂部屋の『ネタその４』設定で書いてます。
先にそちらを見てからのほうが解りやすいと思います。



暖かな午後のひと時。
ルークはコーラル城のバルコニーで午後のお茶を楽しんでいた。
今日の茶葉はルークのお気に入りのダージリン。
使用人兼護衛のベルンシュタインが温度や時間に気を使った淹れたてだ。
お茶菓子は自作のスコーンと野いちごのジャム。

紅茶の香りを楽しんでいると、突然バルコニーに人が降ってきた。
一人は軽く着地をし、もう一人はいささかバランスを崩しつつもなんとか着地をした。

「アッシュ、ルカ。びっくりするじゃないか。」

「悪ぃ悪ぃルー兄。」

「すまんな、このほうが手っ取り早いんだ。」

大して悪びれた様子のない二人だがルークも得に気にせず、二人が降ってきた上を見上げた。
上を見上げると２羽のフレスベルグが悠々と旋回している。
スコーンをちぎり上へと投げると落とす事なく上手に嘴でキャッチした。

「ありがとな。ゲヌビ、カマリ。」

古代イスパニア語で「南の爪」「北の爪」という意味をもつ２羽にそう声をかけると
ひとつ鳴いて森のほうへと飛んでいった。

「改めていらっしゃい二人とも。丁度お茶してたんだ。」

「だな、良い香りだ。」

「お、ルー兄お手製のスコーンがあるじゃん！俺コレ好き！」

そういってルカが手を伸ばそうとすると、
横から手が出てきてスコーンに伸びていたルカの手を軽くぺちんと叩いた。

「こーらルカ坊ちゃん、外から帰って来たら手を洗わなきゃ駄目でしょー？」

「坊ちゃんって言うなよベル！それに一々手なんて洗いに行ってらんねーよ！」

「こら、ルカ。手はちゃんと洗ったほうがいいぞ？」

「ルー兄・・・うう、わかった。」

「ほんとルーク様の言うことなら聞くんだから〜。はい、コレで拭いてください。」

そう言ってベルが差し出したのは濡れた布巾だった。

「はい、マスターのぶんも。スコーンで手が汚れると思って多めに作っといて良かったですよー。」

「お前にしては気が聞くじゃないか。」

「え〜マスターひどーい。」

アッシュの言葉に対して傷ついたふうでもないがベルはわざと悲しんだ様子を真似たが
アッシュはフンと鼻であしらっただけだった。

「そんなことより早くスコーン食おうぜアシュ兄！」

「ああそうだな。ルークのスコーンは久しぶりだ。」

「うん、この間アッシュがくれた野いちごを食べきれなかったからジャムにしてみたんだ。」

「んーーうまい！やっぱルー兄の作るお菓子は絶品だな！城のシェフよりうめぇ！」

「そんな、大げさだよルカ・・・でも、ありがとう。」

照れくさそうに笑うルークにアッシュとルカとベルも釣られて笑う。
そんな穏やかな午後にルークは幸せだなぁ・・・と思った。

「この城に軟禁されててさ、もし、もしだぞ？預言どおりに俺が死ぬとしても、
その時まではこんな穏やかな時間をすごしたいな。」

そういったルークにルカが身を乗り出して言った。

「ルー兄！大丈夫だって！預言なんて絶対ぶっ潰すって！」

「ありがとうルカ。でも、やっぱり時々思っちゃうんだ。もし本当に死んでしまったらって。」

「そんな事絶対させない！もし、そうなったとしたら俺、ルー兄殺した奴殺して俺も死ぬ！」

「ルカ・・・・」

弟の必死な言葉にルークは心が温かくなるのを感じた。だけどやっぱり自分のために死んでしまうのは駄目だ。
そう伝えようとしたらアッシュがおもむろに口を開いた。


「いや・・・」

「え？」

「ルークが死ぬなんてありえない話だが、ルークを殺した奴を殺すなんて温いな。」

「温いってマスター？」

尋ねるベルにアッシュはニヤリと笑い返すとまるで明日のメニューを言うが如く言った

「まず、世界を滅ぼすな。ルークのいない世界などに用はない。自分が死ぬのはそれからだ。」

「わーぉ、マスターが言うと洒落にならないね。」

おお怖いと笑いながら肩をすくめるベル。
ルカは「お、俺も！！」と無駄に張り切っている。

「ま、ありえない話だがな。預言は何が何でも変えてみせるさ。」

「アッシュ・・・うん、うん。そうだよな。アッシュは無駄な嘘つかないもんな。」

「ああ。お前は必ず守る。」

「あーあー、見せつけちゃってぇベル妬けちゃう。」

「ベル・・・」

「あ、冗談ですってばマスター。そんな睨まないでよ。
でもま、俺もこの身朽ちるまでルーク様達を御守りしますよー？」

「お、俺だってルー兄守るよ！」

「皆ありがとう。俺も、俺に出来る事は少ないけど皆の事を守るよ。」




そういって微笑むルークに３人は必ずやと心に誓った。
願わくば、君のその純真な笑顔がこの晴れやかな空の下に続くよう・・・





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妄想炸裂部屋の『ネタその４』設定。

唐突に降って沸いた妄想を思うままに書き殴ってみた。

赤毛３兄弟は仲良し！
弟思いの長男
兄さん思いの三男
皆が一番次男

赤毛三兄弟+α


ちなみにベルのそれぞれの呼称
アッシュ→マスター
ルーク→ルーク様
ルカ→ルカ坊ちゃん