ここでは誰もが『ひとり』だ。
実の親子でさえ、食い扶持を減らすために殺りあうこともある。
『ひとり』のほうが安全だ
あいつ…ネズミもひとりだった。
今までも、きっとこれからも、ずっとひとりでいるだろうと思っていた。
だが、ある日突然、あいつはひとりじゃなくなった。
見知らぬ少年をつれていたのだ。
あの、「ネズミ」がだ。
しかも、信じられないくらいの天然だ。
あの、『ネズミ』が?!
そう考えた事が何度もある。
そして、信じられない事にネズミはその少年を無償でおいてるらしい
だから、あのネズミがそこまでするなんて、
どんなヤツだろうと、面白半分に雇ってみたんだ
そしたら
俺も、腑抜けてしまったのかもしれない。
だって、アイツ…紫苑は、俺の母親の事を笑わなかったんだ。
それだけじゃない、俺の母親の事を誉めてくれた。
俺らしくなく、給料まではずませてしまった。
あまりにも真っすぐな言葉にムシズが走る事もあるが、
俺は、アイツが嫌いじゃない。
ネズミと紫苑が向かったバラックの方角で、
何かが壊される大きな音がした。
破壊の音
破滅の音
死神の音
あぁ、人狩りが始まった。
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あとがき(ぶっちゃけ言い訳)
独白-イヌカシVer-です。
イヌカシの性格が別人〜☆
なんかもう、私の中では、
イヌカシと紫苑は仲良しこよしです(笑)
他にも紫苑VerとネズミVerがあります