僕はNO.6を出た事を後悔していない。
未練がないわけではないけれど、後悔はしていない。
NO.6には大切なものがある。
君には全て断て、と言われたけれど、やはり断ち切れるのは難しい。
数十年、あそこに住んでいた。
あそこで生まれ育ったんだ。
それらを断ち切るにはあまりにも長すぎた。
NO.6が偽りの街と知った今でもあそこは僕の故郷だと思っている。
僕は、これらを背負っていく。
それが命取りになると知っていてもだ。
君は愚かだと言うかもしれないけれど、これが僕の生き方なんだ。
そして、今、僕は僕の大切な友人を救わなければならない
君を巻き込むつもりはなかった。
君を危険な目にあわせたくなかったんだ。
僕は、君を失いたくない。
この感情を何とよぼうと、この想いはかわらない。
ネズミ、僕は君に生かされている。
音がした。
エレベータで降りているのだ。
『矯正施設』
偽りの街の隠された秘密
記憶した地図を思い浮かべる
空白の部屋に向かって今降りているのだろう。
僕はネズミにすがりつくように寄り添った。
腰に回ったネズミの手に力がこもる。
暗闇の中に、ネズミの低く、美しい声が響いた
「落ちるぞ」
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あとがき(と言えば聞こえがいい言い訳)
ぶっは!わけわかんないぜコンチキショイ!
大体4巻くらいの紫苑の独白(?)
携帯でコツコツ書いてようやっとUPしました;
えへへー色んな人が別人(笑<事じゃヌェ!)
他にもネズミVerとイヌカシVerがあります